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家の近くに虎がいるというので見に行きました。

あまり近くに行くと危険だと思い、
遠巻きに見るようにしようと思いましたが

1番近くで見ている顔がしわくちゃの外国人のおじいさんに

『静かにしていれば危険はない。自分は人間だという尊厳をもって落ち着いて近づくんだ。』

といわれたので(たぶんそういっていた)

そろっと近づいてみました。
最初はドキドキしましたが次第に不思議と心が落ち着き、

私と虎の距離は手をのばせば触れるほどに近づきました。

でも虎はこちらに見向きもしません。
ずっと一点を見つめています。

それにしてもこんなに虎を近くでみたことはありません。

近くで見ると
虎は非常に大きく、
黄色だと思っていた毛並みは輝くオレンジ。

そこに白と黒の美しい縞が入っており、息をのんで魅とれてしまいます。

その美しさは自然の美しさと尊厳をあらわしているかのようでした。

しばらく見つめていると、おじいさんが小さな声でささやきました。

『君と虎は一体なんだよ。君は虎。虎は君。君は私。私は君。それは永遠なんだ』

おじいさんのいうとおり、いつのまにか私と虎は一体となっていました。

そればかりではありません。
私たちを囲む草も、
鳴いている鳥も、
おじいさんも、
空気も、
すべて。

家に帰ると、

朝顔の双葉が芽をだしていました。


近くに虎がいるらしいときは

できるだけ近づいてみることをお勧めします。

永遠を感じることができるかもしれません。